「プレハブは撤去、トレーラーハウス以外は使えない」と市に言われた中古車屋の話|市街化調整区域で営業しているあなたへ
先日、新琴似で中古車屋をやっている社長から、弊社にお問い合わせがありました。社員が2人の、小さな店です。
「市から電話が来た。プレハブを撤去してくれ、トレーラーハウス以外はここでは使えない、と言われた」
札幌市の建築課からの連絡だったそうです。長く営業してきた調整区域の店に、ある日いきなりかかってきた一本の電話。もし同じことが御社にも起きたら、と考えると、ひとごとではないと思います。この記事は、そういう方に向けて書いています。
📋 目次
1. 新琴似の社長と、まだ続いているやり取り
その社長の話を、もう少し続けます。
市の建築課からの電話は、用件がはっきりしていました。今のプレハブは撤去してほしい。代わりに置くなら、トレーラーハウス以外は認められない。撤去命令が出ている以上、今までどおりというわけにはいかなくなった、ということです。
それでトレーラーハウスを探して、弊社にたどり着いたそうです。弊社からは、車検付きの一台を320万円でご提案しました。
ただ、話はそこで止まっています。社長から返ってきたのは、「300万を切らないと、今はちょっと手が出ない」という言葉でした。
20万円の差です。大きな会社なら誤差で済むかもしれません。でも社員2人の店にとっては、その場で即決できる金額ではありませんでした。
かといって、撤去命令は待ってくれません。いずれは買って置き換えないといけない。買いたいけれど、今すぐは厳しい。その板挟みのまま、今もやり取りが続いています。きれいに片付いた成功談として書けないのが、この件の実際のところです。だからこそ、同じ立場の方には早めに知っておいてほしいと思っています。
2. なぜ今、調整区域の事務所に連絡が来るのか
こうした連絡が増えている背景には、「ノースサファリ事件」があります。札幌市南区のノースサファリサッポロという施設が、市街化調整区域に許可のない建物を長年つくり続けていた、という問題です。
報道によれば、その建物の数は100棟を超え、過去に何度も行政指導が入ったうえで、2025年には全建築物の撤去要請にまで至ったと伝えられています。動物園として知られた施設だっただけに、ニュースでも繰り返し取り上げられました。
この一件で、世間も行政も「調整区域の違法建築」に敏感になりました。これまで黙認に近かった状況が、見過ごしにくくなってきているのが今です。新琴似の社長への電話も、その流れと無関係ではないでしょう。
調整区域で商売をしている人は、北海道にたくさんいます。白石の川下、東区のモエレ沼のあたり、北区の新琴似。その多くが、中古車屋や建設業の事務所で、プレハブをつなぎ合わせて使っています。順番が回ってこないとは、言い切れない状況になってきました。
3. 撤去命令で、本当に怖いのはお金の話
撤去命令そのものより、そのあとのお金のほうが重い、というのが正直な感覚です。新琴似の社長も、まだ撤去にいくらかかるかまでは把握していませんでした。参考までに、一般的な相場をお伝えします。
プレハブの解体費用は、1坪あたりおおよそ1.8〜2万円が目安とされています。10坪の事務所なら、本体だけで20万円前後から。ただし基礎やコンクリートの撤去、中に残した荷物が多いと費用は膨らみ、残置物が多ければ本体の解体費を上回ることもあると言われます。
もっと怖いのは、命令に従わずに放置した場合です。行政が業者を手配して取り壊す「行政代執行」になると、その費用は全額が所有者に請求されます。しかもこの請求は税金の滞納と同じ扱いで、強制的に徴収される可能性があり、自己破産をしても消えないとされています。
建てるのにお金がかかり、壊すのにもお金がかかる。残るものは何もないどころか、出ていくお金だけが二重になる。これが、撤去命令をそのままにしておけない理由です。
※費用はあくまで一般的な目安で、建物の状態や立地で大きく変わります。実際の金額は解体業者の見積もりでご確認ください。
4. 「建てる」をやめて「車検付きの車両を置く」という手
新琴似の社長が市から言われたとおり、トレーラーハウスが選択肢になるのには、ちゃんと理由があります。
トレーラーハウスのうち、一定のサイズにおさめたものは、車検とナンバーを取得できます。車検とナンバーがあるということは、道路運送車両法の上で登録された「車両」だということです。建物に車検は存在しません。車検がある時点で、これは法律上れっきとした車両、という考え方です。
よく聞くのが、「ユニックで吊れば動かせるから、これは建物じゃない」という言い分で置かれたプレハブやコンテナです。気持ちは分かりますが、その主張で押し切るのは年々厳しくなっています。一方で、車検とナンバーという国の登録があるトレーラーハウスは、行政に対しての説明の土台がまったく違います。
国の取り扱いでも、規模や設置の状況から見て随時かつ任意に移動できると認められるものは、建築基準法上の建築物には該当しないものとして扱われる、とされています。「建物ではなく車両だから、調整区域でも置ける道がある」。市の建築課がトレーラーハウスを挙げたのも、この理屈があるからだと考えています。
※車両として扱われるか、その土地で設置・営業できるかは、設置状況や用途、自治体の判断で異なります。「必ず置ける」と言い切ることはできません。御社の土地の状況をうかがったうえで、所轄自治体への確認まで一緒に進めます。
5. 車両として扱われる条件と、税金のこと
トレーラーハウスが車両として扱われるには、次の3つを同時に満たし続ける必要があります。
① 随時、移動できる状態であること
② 自立した基礎の上に固定していないこと
③ 公道を通行できる規格であること
電気や水道の接続も、工具なしで外せる簡易なものにしておきます。大事なのは、置いた時だけでなく、使い続けるあいだずっとこの状態を保つことです。途中で建物に該当する形になってしまうと、その時点で扱いが変わる可能性があります。ここの設計は、弊社がいちばん気をつけてお手伝いしている部分です。
お金の面でも、車両として扱われる場合は、土地に定着する建物にかかる固定資産税がかからない可能性があります。車両の資産として、比較的短い期間で減価償却できる可能性もあります。
※税金の扱いは、設置状況や個別の事情、税務署・自治体の判断で異なります。導入前に税理士や所轄自治体にご確認ください。判断材料の整理は、私たちもお手伝いします。
6. 中古車屋・建設業での使い方
置いたあと、現場がどう変わるか。代表的な5つの使い方を挙げます。
① 商談スペースとして
中古車は安い買い物ではありません。ローンや下取りの相談を、人目を気にせず落ち着いて進められる場所があるかどうかで、成約のしやすさは変わります。
② 現場のすぐ横の事務所として
在庫の管理も書類仕事も、車のそばで完結します。断熱は50mmを標準にしているので、北海道の冬でもきちんと仕事ができます。
③ 建設業の詰め所・休憩室として
職人さんが暖かい場所で休めるかどうかは、人の定着にそのまま響きます。工期に合わせて、別の現場へ牽引して動かすこともできます。
④ 撤去命令への置き換えとして
今のプレハブに不安があるなら、ゼロから建て直すのではなく、車両に置き換えていく考え方ができます。
⑤ 土地が変わっても動かせる拠点として
借りている土地の事情が変わっても、牽引して移せます。事業の動きに、事務所のほうを合わせられます。
7. なぜ320万円から出せるのか
新琴似の社長が「300万を切らないと」と言ったように、この価格は経営者にとって決して小さくない判断です。だから、なぜ弊社が320万円から出せるのかを説明します。
他社で多いのは、宿泊施設のような豪華なリゾート仕様です。立派ですが、1,000万円を超えることも珍しくありません。事務所として割り切って使うなら、そこまでの仕様は要らないことがほとんどです。
弊社は320万円からご用意しています。本体を、弊社社長のグループ会社である宮城FYCで製造しているからです。シャーシから一貫してつくる製造元なので、あいだに余計なマージンが乗りません。
それから、車検付きの車両として製造できる事業者は、全国でも限られます。北海道でトレーラーハウスを扱っている同業者のなかにも、この宮城FYCから車両を仕入れている先があるほどです。撤去命令への切り札になる「車検付き」を、無理のない価格で出せる。これは製造元につながっている弊社だからできることだと思っています。
8. もう一度、堂々と商売をするために
調整区域で商売をしてきた人は、悪いことをしてきたわけではありません。与えられた条件のなかで、家族と従業員のために、その場所で工夫してやってきただけです。
それでも、ルールが厳しく運用され始めると、これまでどおりが通らなくなることがあります。新琴似の社長が受けた一本の電話は、たまたま彼のところに先に来ただけかもしれません。
建てるのではなく、車検とナンバーのある車両として置く。そうすれば、調整区域でももう一度きちんと商売を続けられる道があります。今のプレハブが少しでも気になっているなら、撤去命令が出る前に、御社の土地で置けるのかどうかだけでも一緒に確かめましょう。
調整区域のプレハブが気になるなら、早めにご相談ください。
土地の状況やお写真をもとに、置けるかどうか・費用の目安をお答えします。所轄自治体への確認も一緒に進めます。無理な営業はしません。
お電話:📞 080-5770-3252(平日9:00–18:00)
ショールーム:北海道千歳市上長都1番地2
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